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チュードルとバラ
薔薇戦争:1455年から1485年
30年間にわたり、英国のランカスター家と、ヨーク家の間で繰り広げられた王位継承争い。ランカスター家は赤い薔薇を、ヨーク家は白い薔薇を紋章に掲げて戦ったことに由来しています。
後にヘンリー7世が即位し、チューダー王朝を開くことで長きに渡った両家の対立は収束。両家の紋章は一つに組み合わされ、イングランドの紋章として「チューダーズ・ローズ」が生まれました。
チューダーズ・ローズ
今やチュードルの顔のような存在のチューダーズ・ローズですが、英国では国民誰もが知っている存在です。有名なところでは、サッカー イングランド代表のエンブレムにテューダー・ローズが10個描かれていますし、他のスポーツのエンブレムにも用いられています。
ランカスター家の赤薔薇 | ヨーク家の白薔薇 | テューダー・ローズ |
チュードル エンブレム
イングランドの紋章「薔薇」をあしらったチュードルの薔薇シリーズ。そのエンブレムの代表的なものをご紹介します。
12時に配置される最も大きなチュードル エンブレム。通称「デカ薔薇」。
イングランドの紋章をそのまま図案化したもの。アプライトのインデックスと組み合わされます。 | ベーシックなチュードル エンブレム。通称「チビバラ」。
プリントで描かれ、スポーツモデルなどにも多く採用されています。 | チビバラを盾で縁取ったチュードル エンブレム。
通称「タテバラ」ボーイズサイズのモデルなどに多く採用されています。 | 現在まで広く採用されているチュードル エンブレム「盾」。
創業者ハンスの死を契機に変更されたといわれています。 |
実際のモデルは次のようになっています。
チュードル デカバラのエンブレム。必ずアプライト(植字)のエンブレムでクサビ形のインデックスとセットになっています。
花びらは5つの花弁がそれぞれ二重になっており、シリーズ中もっともイングランドの紋章らしい堂々たる形をしたエンブレムです。(画像は手巻きのゴールドインデックスのもの) | チュードル コバラのエンブレム。デカバラの約4分の1程度の大きさでチビバラなどとも呼ばれます。
ダイアルトップにプリントで描かれます。デカバラほど主張していないひっそりとしたたたずまいが可憐で人気にもなっています。(こちらはプリンスオイスターのもの) | チュードル コバラのエンブレム。
こちらは希少なサブマリーナ、レンジャーのエンブレムでわずか2mm角の中に実に緻密にデザインされています。
ともにほとんど流通しない希少モデルですので、オリジナルを見れるチャンスはほとんどないと思います。(画像はコバラ サブマリーナ Ref.7928 のもの) | もともとベースになっているチューダーズローズです。 |
チュードル バラの歴史
ロレックスのディフュージョンブランドとして誕生したチュードル。そのチュードルが誕生した1930年代、ロレックスは先進的な技術とは裏腹に、販売に苦戦していました。
ロンドンの女性記者メルセデス・グライツが、ドーバー海峡を泳いで渡るという快挙を成し遂げたとき、その腕で正確に時を刻んでいた時計が「ロレックス・オイスター」であり、これを機にロレックスは広く世界に知られていくようになりました。
無垢の金属塊から削りだされたオイスターケースとスクリューバック、完全防水を実現したツインロック式のねじ込みリューズはその後のロレックスの名声を約束したと言っていいほどの技術革新でした。
反面、こうした高い技術は高いコストとなって商品価格に反映され、一般には浸透しづらいものでした。
ロレックスのブランドイメージを維持しつつ、企業利益も獲得したいと考えたロレックスの創始者「ハンス・ウィルスドルフ」のとった戦略は、リーズナブルな価格設定のもう一つのブランドを立ち上げることでした。
しかもそのブランドには、ロレックスのオイスターケースや数々の技術を流用し、ロレックスのプロモーションにも活用したのです。
ブランドイメージには当時のイギリス市場を意識して名門チューダー家の名を採用。これこそがチューダーズローズ、「チュードル」の由来です。
この戦略は功を奏し、その後チュードルはヨーロッパを中心に広く世に知られるようになりました。
また、ロレックスに至っては現在の”キング・オブ・ウォッチ”としての地位を獲得するまでに成長しています。
チュードルはハンスの死を境に”薔薇”のトレードマークから”盾”へと移り変わり、現在に続いています。
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